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不思議なシチュエーション

不思議なシチュエーションのキャンピングカー

こうまで暑い日がつづくと、いつも決まって思い浮かぶ言葉があります。小津安二郎監督の名作『東京物語』での有名な1シーン。妻を亡くした夫役の笠智衆が、葬儀の朝の尾道の寺庭で、陽が昇って来る方を見ながらつぶやく「今日も暑うなるぞ」の一言です。いろいろな含みのある重い言葉ですが、本当に暑くなる様子が、見事に描かれていました。

みなさま、暑さ対策で水分補給は十分にしてくださいね。

さて、今回は、都会の屋上駐車場を使ったロケなのですが、キャンピングカーであり得ないシチュエーションで撮影してみたいというご要望があり、屋上駐車場を借り切って行なわれた撮影会でした。

夕刻から日没後のほんの一瞬のマジックタイムを狙って撮影するのですが、準備がたいへんでした。撮影は一瞬ですが、照明や構図、その他の背景づくりに、ものすごく気を遣うのですね。

どんな集団なのか、どう考えてもよくわからないけれども、何なんだこれは!?という「驚き」があれば成功です。サーカス一座のような、現代の幻想と言いますか、フェデリコ・フェリーニ監督の『アマルコルド』か、寺山修司監督の『田園に死す』か、縁日のお化け屋敷か、そんな訳のわからなさ、非日常感が、この世の中には大切なように思います。なにか、こう、変だなぁ、というものを、これからも大切にしていきたいと思います。

 

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